日本海の海の幸、中国地方最大の江の川をはじめとする川の幸、中国山地の高原をはじめとする山の幸。
島根県西部の石見地方には、農産物、畜産物、水産物が豊富にあります。
例えば、浜田市のノドグロやアジ、邑南町の高原野菜や石見和牛肉などはテレビや雑誌でも取り上げられるほどです。
しかし、舞乃市がある江津市には、良い商品があっても「ブランド商品」と呼ばれるものがなく、認知されていない状況にありました。
そこで、官民協同による「江津ブランド開発研究会」が立ち上がり、ブランド化に取り組んでいます。
舞乃市が取り扱う「まる姫ポーク」は、江津市に農場を構える有限会社マルナガファームで育てられています。
昭和51年から養豚業を開始し、市内にある繁殖用農場には1200頭の母豚がいるほど大きな農場です。
マルナガファームで飼育する豚は、ハイブリッド豚のハイポー種。日本海の海風が爽やかに流れる風通しのよい豚舎で生まれ育ち、30kgを超えると松川農場に移動し、ストレスのない広々としたスペース、40~50cmのオガ粉を敷き詰めた衛生を保つ発酵床で健康的に育てられています。
肥育農場は、松川農場の他に兵庫県の三田農場があり、三田では「三田ポーク」というブランド名で流通しています。
しかし、生産・肥育地の原点であるここ江津では、ノーブランドの「島根県産豚肉」としてしか流通していなかったため、一般に知られていませんでした・・。
江津ブランド開発研究会は、マルナガファームの協力のもと、市内の飲食店や宿泊施設から参加を募り、それぞれの店舗が独自メニューを提供する「ごうつ豚肉フェア」を開始するとともに、江津市内の小学校に豚肉を提供し給食でトンカツを味わってもらい、1頭分の豚肉を賞品として児童から愛称を募集しました。
応募総数335点
大きな反響を呼び、たくさんの応募をいただいた中から選ばれたのが、小学校4年生が考えた「江津まる姫」でした。江津のマルナガファームで大切に育てられた丸々と太ったお姫様のような豚、というイメージが込められています。
フェアでの好評を得、「江津まる姫」という名がつけられた豚の商品化がすすめられ、江津ブランド開発研究会に参画する浅利観光株式会社(舞乃市の運営会社)が販売を担当し、ブランド名は「江津まる姫ポーク」に決定しました。 商品のキャッチコピーとロゴマークは再び公募を行い、入賞作品をプロがリライトして現在のブランドロゴが出来上がりました。
こうして町と共に生まれた江津まる姫ポークは、地元の食卓や飲食店、小売店に受け入れられ、現在では、舞乃市の直売店で販売されるだけでなく、地域のスーパーや飲食店で取り扱われるようになりました。最近では、ふるさと納税返礼品としても需要が増え、全国への拡がりを見せつつあります。これからも江津で育った自慢のブランド豚で、たくさんの方に元気をお届けし、喜んでいただけることを心から願っています。